| ■ 涼宮ハルヒの狼狽 U ■ |
| 帰宅したあとノートを開いてみると、やはり白紙の紙が纏められた白紙のノートだった。何か書いてあると思いきや、誰かの恥ずかしい日記どころか落書き一つない。一通りぱらぱらとめくってみたが、どのページも文字は書かれていなかった。 いまひとつ腑に落ちないな。こんな警告付きとは言え未使用のノートを見るただそれだけの行為を、どうしてあの長門がわざわざ止めたのか。朝日奈さんだったらただ単に警告を恐がって「あぶないですよう」とか言ってくれそうなものだが、長門が止めたということが重要なのだ。 とりあえず俺はノートをベッドに放置したまま、晩飯時を知らせる妹の声を階下から聞きつけおとなしくありついてから考えることにした。 ところが階段を下りてみると妹の声は夕飯の知らせではなかったらしく、俺への尋ね人があるとの知らせだった。それを告げ終えると妹はシャミセンを抱いて台所へと消えた。 まあこんな時間だし訪問してくるやつも限られている。今更驚くまい。俺は玄関のドアをためらいなく開け放った。長門に朝日奈さん、古泉が珍しくそろってのご登場だ。 「そろってどうした、こんな時間に」 母親には適当なことを言って三人を家に上げた。古泉はいつぞやの市内探索で見たようなジャケットをクリーム色のワイシャツの上に着ており、朝日奈さんは珍しくジーンズにファーのついた白いジャケット、長門はいつものセーラー服という出で立ちだった。 時計を見ると六時三十二分、学校から帰って少し経つ。まったく、三人とも学校終わってからすぐ来ればいいのに今まで何をしていたのか、そして何で三人一緒なのか。 「全くの偶然というやつですよ。僕がここへ来る途中でばったり会いましてね」 本当にばったりだったか疑わしいぜ。こいつの考えを読めないニヤニヤ顔ではどこからが本当かわかったもんじゃない。朝日奈さんの方に目を向けると、長門の隣という位置をあてがわれたからかどうなのか、長門と同じく正座して長門を見ないようにしている。 「朝日奈さんはどういうご用件でしょうか」 朝日奈さんは話の矛先が自分に向いてよほど安心したのか、安堵の表情でため息を一つついて話し始めた。 「古泉くんが長門さんに思い出せない記憶が何なのか聞いていたの。それでわたしが古泉くんに相談したら、キョンくんがその鍵を握ってるって……。本当なの?」 ちょっと待ってください朝日奈さん、話が見えません。朝比奈さんが思い出せないことの内容の鍵を何ゆえ俺が持ってることになってるんでしょう。鍵をかけた覚えも無ければ鍵を渡された記憶も無いのですが。 「ノート」 俺の隣で長門が突然つぶやいた。ベッドに放置されたノートも見ずに。見ればそのノートは俺が放り投げたせいかページがめくれていた。 「ノート? そう言えば、あれにはお前が言うほど衝撃の真実みたいなもんは書かれてなかったぞ。というか白紙だった」 「なんです? そのノートは。今朝あなたが涼宮さんに手渡していたものと似ているようですが……」 古泉が横やりを放った。その一言で全員の目がノートに向いた。 「ハルヒに渡したものとは違う」答えたのは俺だ。 「何が書いてあるんですか?」 「何も書いちゃいねえよ」 「何の変哲もないノートなら議題に挙がることは少ないでしょう。重要なのは問題提起が長門さんによってなされたということです」 「まあ、ノートがどうのこうの言い始めたのはハルヒだったがな」 しかし、さすがと言うべきか鋭い。それなんだ。俺だってただの大学ノートに興味を示したりなんてしないさ。まさかそのノートにハルヒの黙らせ方でも書いてありゃ別だが、見れば見るほど何も書かれていないごく普通のノートだ。 なのに、そんなもんを長門が話に挙げるから疑問が湧くんじゃないか。谷口や国木田が言い出したとしても見向きもしないであろう話題だが、長門が発言者なら話は変わってくる。 そんなことを考えていると、長門はベッドに横たわるノートを音も出さずに拾い上げ一番初めのページを開いていた。よく目を凝らしてみると、白紙のノートの上を長門の目が文字を追うように移動していく。実は炙り文字か何かが書いてあってお前には炙らなくても見えたのか? 「違う」 だろうな。 「しかし原理はそれと似ている。この冊子には通常の視神経では捕らえられない文字が羅列してある」 そんな文字が書ける奴がいたらそいつはノーベル物理学賞をとっても不思議じゃないね。長門、お前のことを疑うつもりは無いが、ノートを触った感触から言ってペンで文字を書きなぐったような跡なんか無かったぜ。そこに文字があるなら書いた人間は一体どういう手段でこれを書いたって言うんだ。それにそんな見えない文字を書けたとして一体どんなメリットがあるのかという疑問も発生するだろう。さらに言うならば、それが何故俺の部屋の机の中に入っているんだ。 「現時点では詳細はほぼ不明。一つ解るのは」 何だ。 「……この筆跡は私のもの」 どういうことだ。意味不明で奇妙なこのノートの持ち主は実はお前だったってのか? 「私の過去の情報を検索してもこのノートが私の所有物であったという事実はない。これは私の持ち物ではない」 「じゃあ、それには何て書いてあるんだ」 「書いてある文章に意味はない。これは過去のある一部分を追体験するプログラム」 「プログラム? パソコンとかのあれか」 「そう。この冊子には一部分の記憶がデジタル化して封印してあり、それを擬似的に追体験できるようになっている。これを記述できるのは私のようなインターフェイスだけ」 「一部分の記憶というのは一体どなたのものなのでしょう?」古泉が質問する。 「地球上に存在する全ての有機生命体。私も含まれる」と長門。 「なるほど」古泉が相槌を打つ。 「過去のある一部分ってのは、いつのことだ」と俺。 「これを見る限り、時間座標は九月二十日に設定されている」 九月二十日? 秋か。何があっただろうか。文化祭のすぐ後だよな。いや、コンピ研とのゲーム大会より後か? もう去年の話だしSOS団の活動内容がいちいち色濃く上書きされるから、ところどころ忘れてしまっているみたいだ。しかし、その九月以前にやった市内探索パトロールや野球大会、もちろんその前の長門の電波話から朝日奈さんの爆弾発言、古泉の閉鎖空間ショーに至るまで俺は鮮明に思い出すことが出来る。言われてみれば九月の記憶ってのはコンピ研とのゲーム大会で途切れていて、その後次の活動に至るまで何があったかうまく思い出せなくなっていた。 「長門、お前何かその頃特別なことをやった覚えあるか?」 「私の中に蓄積された情報の中で隔離された部分がちょうどその時期に該当する」 「朝日奈さんはどうですか?」 「それが……言われてみれば思い出せないのって、そのあたりのような気が……」 「奇遇ですね。僕もそうです。」 お前には聞いてない。言う台詞も大体読めてたしな。今朝方ハルヒのいなくなった部室で三人が口をそろえて発言した記憶障害についての解法が、今俺の目の前にあるノートに書き込まれているらしい。しかし、大きな疑問が残る。 「百歩譲って俺の机に何故入ってたかは考えないとしても、こんなこと誰が何のためにするんだ。意味がわからんが」 「このプログラムは早急に回避すべき何らかの危険事項がある場合を除いて使用することはない。使うということは緊急事態」 「長門さん、これはあなたに開けるプログラムなのですか?」と古泉。 「可能」 「ならばすぐにでも封印された我々の記憶を取り戻そうではありませんか」 「軽々言うな。危険を回避するプログラムをわざわざ使ったんだろ? ってことは封印された記憶は危険ってことじゃないのか?」 「確かに。しかし、こうも考えられます。その危険がまたいつ僕たちの身に降りかかるとも限らない。ならば、それをこの目で見て今後の教訓とするわけです。そう考えればこちらに利益はあっても損失はありません。それに、危険を不利益と誰が決めたのですか?」 「そりゃ普通そう考えるだろうよ。危険を利益だなんて考えるやつはお前だけでいい。俺は信用できん」 「ならばこうだとしたらどうでしょう。これは未来と過去とを繋ぐ伏線。生命を一本の糸に例えるとしたら、その途切れた一部を繕おうとすることである、とね。それに、長門さんが危険を察知して取った行動ならば、涼宮さんが絡んでいるとは思わないんですか?」 確かに、こういうときは常にハルヒが関係している。今回もそうなのだろうことを俺が考えなかったわけじゃないさ。しかし、整理して考えてみようではないか。俺のようなごく一般的な人間は九月二十日から――いつまでかは解らんが――の記憶を無くしたことにすら気づかなかったが、異能の三人組だけは気づいた。ということは、今までの出来事を総合的に考慮した上で申し上げると、このような状況下において俺は一度も安心したことがなかったことを思い出しつつ嫌な予感に到達するわけだ。こういうときに苦労するのは俺か朝日奈さんと決まっている。 ここに封印された記憶ってのはそれなりの危険性をはらんだ代物であるということに加え、俺をただ楽しませてくれるだけの余興でないことは今までの経験値が教えてくれている。俺は長門に告げた。 「やっぱり俺は反対だ。エジプトのピラミッドみたいに掘り起こしちゃいけない宝もある。触らぬ神になんとやらさ。」 長門は目をノートから俺に向けて姿勢を崩さずに固まっていた。三人の視線が長門に向いた。俺は首を傾げて長門の返答を待った。 「このプログラムは開封した状態で私のようなインターフェイスが付近にいると自動的に作動する仕組みになっている。既に六十%が起動中」 空気が固まった。 「ほう」 古泉がいつものスマイルをさらに深めて言った。朝日奈さんは特に感想も無かったらしく、俺と古泉を交互に見つめていた。 ……おいおい、今回も俺に選択の余地は無かったわけかよ。そういうことは長門、もっと早くに言っておくべきことだということをくれぐれもここで学習してくれ。普通の人間がお前のペースについて行けっこないんだからさ。 と思ったら、次の瞬間ブラックアウト。いつもこのパターンだな。 ……… …… … … …… ……… 俺は立っていた。俺の部屋に、制服姿で。鞄を持っている。 窓の外を見やると、暗黒が一面を覆いつくしていた。 部屋の外から妹の声がする。夕飯の合図だろう。 俺はとっさに思い出した。 「ああ、俺帰ってきたんだった」 そうだ、俺はいつものようにSOS団団長殿のご命令どおり今日も部室へと足を運び活動とも言えない活動を終えた後、帰宅したのだった。しかしながら何かが頭の中に引っかかっている。この名状しがたき気持ちは何だろう。 着替えて夕飯を取りに食卓についても風呂に入っても何か釈然としない気持ちが頭の中にあったが、ベッドに入って電気を消すとすっかり忘れていた。 次の日教室のドアを開けると、定位置にいつものやつがいつも通りに席に座って窓の外を眺めていた。涼宮ハルヒである。 「よう」この一言が平日の日課だ。 「今日は何をしようかしら……。うまい具合に宇宙人も未来人も超能力者も現れてくれないし最近ネタ切れなのよね」俺の挨拶の返答はよこさず、すぐ本題に入るやつである。 「いつもしていることをしたらいい。宇宙人だってすぐに現れたりしないだろう」 「そんなのわかってるわよ。またパトロールでもやろうかしらね」 俺は先日の市内探索パトロールを思い出した。まああの時と同じ状況ならば行ってやらんこともない。 しかし、今日のハルヒはネタ切れだと言う。文化祭も終わり、先日コンピ研とのゲーム大会も長門の活躍によって大勝し、こいつも満足なんだろう。ま、それが一番いい。 一日の授業が全て終わるとハルヒはどこかへ立ち去り、俺はそれを見送ってから部室へと向かった。 一度ノックしてドアを開けると既にメイド服姿の朝日奈さん、ハードカバーに目を落とす読書マシーン長門がそこにいた。やれやれ、俺も帰りのHRが終わってすぐ来たっていうのに、何故そこまで俺の先を行けるのか。 「あ、キョンくん」朝日奈さんは俺を見ると茶を淹れる作業を早めた。 「どうも」俺は言いながら鞄を机に置いて定位置に落ち着いた。 数秒置いて、古泉登場。まあこのタイミングが普通だろう。 「やあ皆さん」そう言って古泉は『団長』と書かれた三角錐が鎮座する団長机に目をやって、「涼宮さんはまだのようですね」と言った。 「いつもの通りだろ。どこで何してるやら」 「ちょうど良かった。あなたにお話ししておきたいことがありましてね」 古泉の話が俺にとって得であったことは、ハルヒの思いつきの次くらいにないと言っていい。それでも聞いてやる俺に感謝しろよ。 「先ほど『組織』から小規模ではありますが閉鎖空間が発生したと報告がありました。何か心当たりはありませんか?」 今朝、この団の活動がネタ切れとか言ってたけどな。それより閉鎖空間ってのはこんなにすぐ湧いて出るもんなのか? 「原因はそれでしょう。前にも申し上げた通り閉鎖空間はまったくのランダムで発生します。時と場所は我々には予知できません」 「またか」 「またです。前にも申し上げたとおり、涼宮さんには適度な刺激が定期的に必要です」 「ちょっと待て。昨日も普通に活動しただろう。何で昨日の今日でもう必要なんだ。重度のジャンキーじゃあるまいし」 「恐らく、日ごろの活動にも何らかの不満を少なからず持っていたのでしょう。それが積もり積もって、ということではないでしょうか」 「今月の頭にあんな大行事を二つもクリアした後だぞ。今朝も満足そうな顔をしていたが」 「そう言わずに。あなたの両肩に全てがかかっているんですから」 と言うわけで、俺の意見で―――ここがミソだ―――市内探索パトロールが決行されることと相なった。今回は少し場所を広げて二駅先まで探索だなどと我ながら大失言である。秋の到来を夏が必至で邪魔しているらしく、明くる日の土曜日、嘘みたいに雲ひとつ無い快晴の真昼間からパトロールは開催された。 「あんたにしてはなかなかの意見だわ。しかも捜索範囲を自ら広げるなんて、あんたもついにSOS団団員としての自覚が双葉を出したのね」 俺としては不本意ここに極まれりだ。下らないパトロールを自分から言い出した挙句、余計なオプションも自分で追加しちまったんだからな。 長門のデジャヴのように前回とまったく同じ制服での参加はともかく、他の団員もそして俺も前回と似たり寄ったりな服装で集まった。私服での参加なんだから少しは自分をアピールするような服装で登場しろよと言いたいところだが、今回は俺も同じだ。 「それじゃ今回は範囲も広いし、また集まるの面倒だからみんなで動きましょ」 とりあえず、いつもの喫茶店を離れた俺たちは、いつかの朝日奈さんとのデートコースである川沿いの道をひとしきり歩き回った後、そのまま隣の駅前の商店街を練り歩くこととなった。 「涼宮さん、楽しそうですね」 川沿いの道を出たあたりから隣を歩いていた古泉が不気味な微笑をたたえて言った。 「だといいがな」 「彼女にとって適度な気晴らしになっているのは言うまでもないでしょうが、恐らく他でもないあなたの提案であるということに満足なのでしょう」 「本来ならこういうのはお前の役割だろう。ハルヒの気晴らしとかそういうのは」 「そうでしたね。……ところで、」 古泉はそう言っていつもの微笑とは少し違った、陰のあるような笑みを見せて、前髪を指先で払いながら言った。 「なんだ?」 「先日から何か違和感を感じたことはありませんでしたか?」 なんだコイツは突然に。そんなこといきなり言われたって思い当たる節なんかないぞ。 「以前お話したことを覚えていますか? 僕が初めて自分の正体を明かした日のことです」 長門、朝日奈さんに続いて古泉が言った超能力者発言。覚えていたくもないことを鮮明に思い出せるこの記憶がいまいましいくらいだ。忘れもしねえ、どの部分だか言ってみろ。 「昨日世界は作られた可能性がある、と僕が仮説を述べた部分です」 覚えているとも。その仮説がにわかに信じられそうになっている今の俺には、あの時から今までの体験があるせいだろう。それがどうした? 「世界全体とは言いませんが、少なくとも僕一人のことだけ考えると、昨日僕は改変された可能性があります」 どういう意味かわかりやすいように説明してくれ。 「昨日、僕の記憶は唐突に始まりました。まるで記憶がそこから始まったように感じたんです。といっても以前の記憶がないわけではなく、ちょっとした違和感と言いましょうか。唐突に自室に立っている意識が始まったんです」 「奇遇だな。今回はお前の意見にすんなり賛成できる。昨日が唐突に始まったのは俺も感じていた。気には留めていなかったが」 「やはりそうですか。これは涼宮さんによる何らかの改変か、あるいは」 言いつつ古泉は少し前を黙って歩くヒューマノイドインターフェイスを見た。 川沿いの道を離れて商店街に差し掛かった頃には、俺の隣は古泉ではなく長門になっていた。というのも、古泉の感じた疑問が俺の疑問でもあったのは言うまでもなく、この長門に聞けばすぐに答えを聞けると思っていたからだった。 「長門、」俺がそう呼びかけた時だった。 「この空間は、私のようなインターフェイスが記述した過去の追体験プログラムの中」 俺の質問を先読みしてくれるのは助かるが、何がなんだかさっぱりだぜ。 「なんだそれは?」 「脳内に蓄積された記憶の状態も、指定された時間に合わせて改変された。全てを思い出すのは、プログラムが終了してから」 「約一名すでに違和感を感じているが?」俺は前を歩く古泉を見た。 「…………」 過去の追体験……ってことはここで起こることは、現実世界での『既定事項』とは違って、完全な意味での『既定事項』になるわけか? 「なる。この空間内で起こる全てのことは過去の事実に基づいて再現されている。既定事項に反する事実の改変は不可能」 この世界を作っているプログラムとやらの基本的な作りについては、長門が説明してくれた。つまりある地点(昨日=九月二十日)から、別のある地点(これについてはわからないが)までの記憶を丸ごと取り出したわけだ。それを俺たちは今もう一度体験していると。 長門の隣を歩いているおかげで少しは集中して思案に耽ることが出来る。果たして、森羅万象の記憶を切り取って封印せざるを得なかった出来事とは一体何か。そしてこれはいつ終わるのか。何の変哲もない日常だった昨日今日がその範囲に設定されていたのは何故か。 思い当たる節は一つしかない。ハルヒのあの「ネタがない」の一言である。あれが発端でなくして何を発端と言うのか。ハルヒの異常行動は何かの予兆であることを学んできたではないか。そしてハルヒが起こす事件で長門が関わらなかったことなど一度もなかった。 つまりハルヒも長門も、事件の必要条件なのだ。俺などは十分条件にでも収まっておけば文字通り十分だろう。まったく、どこまで肝を冷やさせれば気が済むんだ。このまま肝を取り出して冷凍保存だなんて俺はごめんだぜ。 古泉も俺の行動を予測するのが妙にうまい。長門に例の話を持ちかけた後、すぐに俺のところに聞き出しに来やがった。古泉に話して朝日奈さんに言わずにはおれまいと思って、結局俺と長門と朝日奈さんと古泉とでこの先起こる何がしかの突飛な出来事を見届けてやることと相成った。長門の言うとおりなら、俺たちは意志のどうこうに関わらず結果に辿り着くエスカレーターに乗っているんだからな。 |
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